今回は、大谷内さんから「未上場企業の株式価値算出について調べて」というどこから手をつけて良いかわからないテーマをいただきました。
私にとって謎な点は以下の2つでした。
1.株式価値とは何か
2.価値算出にはどんな方法があるか。
今回最大のテーマは「株式価値算出について」なので、
1については調べたものの、当記事では割愛します。
算出方法の中でも4つの手法について解説していきます。
■ 未上場企業の株価算出の必要性
上場企業の株価は、株式市場において企業の業績や為替など様々な条件によって決定されますが、未上場企業の未公開株式はどうやって価値を判断し、決定されるのでしょうか。
まず、未公開株の価値が問題となるのは大きく分けて、
(1)未上場企業の上場時
(2)未公開株の持ち主が買収・相続などで変化する時
の2つがあり、価値決定を争点に大きな事件などに発展したケースもあります。(リクルート事件など)
未公開株は、主に「純資産方式」「収益方式」「比準方式」「配当還元方式」によって価値を算出されますが、それぞれの方式には長所・短所があり、どの方式を取るかは場合によって異なります。以下でそれぞれの方式を見ていきます。
■ 純資産方式
純資産方式とは、企業の総資産額から負債を差し引いて、一株あたりの価格を決定する方式で、会計帳簿上の数字をもとに算出するため、客観性に優れており、保有する資産に価値がある不動産業などの価値評価に適しています。しかし、資産を多く必要としない知識集約型であるコンサルティングや製薬会社などの事業を行う企業の価値を判断することは難しいとされています。
■ 収益方式
収益方式は、M&Aなどで未上場企業を買収する際に使われることが多く、投資後にどれだけの収益を得ることができるかを、将来のキャッシュフローを予測し現在の価値に割り引いて価値を算出する方法です。しかし、将来の収益確定は困難であり、算出の際に不確定要素や願望(企業目標など)が入ることで、恣意的な価値算出にならないように注意が必要となります。
■ 比準方式
また、未上場企業が上場する場合には、比準方式がとられやすいとされています。
この方式では、被評価企業と事業内容が類似する上場企業の平均株価や、純資産・利益などを参考にして被評価企業の株式価値が決定されます。
■ 配当還元方式
配当還元方式は、企業全体の価値ではなく、企業から株主への配当金に着目する点で、他の方式と異なります。算出時点での株主への配当金を過去の配当実績などから計算し、価値を決定します。そのため、配当のみを享受する経営に対して決定権を持たない少数株主が株を譲渡・売買する際に多く用いられます。
■ おわりに
以上のことから、価値算出には多くの方法があり、その時々で使い分けられていることが分かったのではないでしょうか。
私は未上場と上場の違いについてから調べたので、今回の内容だけに留まらない知識を得ることができました。
急に投げられてくるタスクやブログ執筆では、どんな知識でも調べられるようになった世の中において、どう調べて(input)どう書くか(output)が試されているような気がしています。
ちなみに、コダワリ社の食事では、ありがたいことにインターン生にたらふくご飯を与えてくれますが(1食でラーメン×2・チャーハン・カレー・天津丼)、食べる量(input)に対して、出る量(output)が追いついておらず、何事もバランスが大事だなと思う今日この頃です。
船越